竜田山

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もののけづくし
もののけづくし
もののけづくし
別役 実

当初は戸惑っていた別役実ですが、これでいよいよ最後です。
何かamazonで紹介されていた装丁と私の持っている装丁が違うのですが・・・
この本は「虫づくし」「道具づくし」のように
「もののけ」を自己流に紹介した本ですね。

「ろくろっくび」や「ざしきわらし」といった定番から
「これくらい」や「あさぼらけ」といった
読まないと何だかわからないものから
「もったい」や「りしょく」といった現代社会をネタにしたもので
一つの本の中に実に多くのやり方でもののけを裁いているものですね。

順調に読み進めていったのですが、
「ひとつめこぞう」のところで何かデジャビュを感じました。
なぜか記憶があると思っていたら、
この本は最初「当世もののけ生態学」
という題名で出版されていたそうです。
それが教科書や模試に出題されたことがあるとか。
私が読んだのもたぶんそれですね。
いやー凄いなーかなり前に出会っていたんですね。
しかし当時の私はこの内容をどう思っていたのか・・・
残念ながらその辺りは記憶にないです。
たぶん真に受けて読んでいたのかもしれません。

解説が前に読んだ池内紀さんです。
ネックレスのたとえがうまいなーと思いました。
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23:34 | 本の感想 | comments(0) | trackbacks(0)
植物知識
植物知識
植物知識
牧野 富太郎

今度はまじめに植物の本です。
日本で「植物学の父」と呼ばれている牧野富太郎。
この本は牧野富太郎が昭和24年、87歳のときに書いた本です。
略歴とか見るとわけがわからないくらい波乱ですが、
この本は120ページ弱と薄く、比較的読みやすいです。
たまに昔の人を感じさせる言葉がありますけれど、
87歳で植物命の爺さんが書いたと思えば
何となく許せてしまうから不思議です。
現在使われていない科名や単語には
注釈が点けてあるというのもいいですね。

この本はヒガンバナやミカン、ドクダミといった
身近な植物がわかりやすいイラスト付きで詳しく載っています。
(とはいってもオキナグサやサクラソウ等
絶滅しそうな植物もありますが、
昭和24年当時はまだ大丈夫だったのでしょう。)
特にミカンの章の「ミカンはその毛の中の汁を味わっている」
という言葉には驚かされました。
苺や林檎は何となくわかっていたけれど、ミカンは初耳です。

あとがきは牧野節炸裂という感じで、植物の愛を感じました。
それにしても年譜によると昭和24年は
腸カタルで一時危篤状態に陥っていたようですが、
とてもそんなことを感じさせず、その後95まで元気に生きるのですから
植物から元気をもらっているのは、
あながち間違いじゃないですね。

高知県立牧野植物園にも行ってみたいです。
かなり不便なところにあるそうですが・・・
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17:42 | 本の感想 | comments(0) | trackbacks(0)
道具づくし
道具づくし
道具づくし
別役 実

前作の虫づくしで面食らいましたが、
近作の「道具づくし」でだいぶ読み方がわかってきました。
前作は虫だったわけですが、それが道具になったのがこの作品です。
私がとまどっていたせいもあるのでしょうが、
前作より作者がはじけて書いているような気がします。

たとえば「うどんげ」という道具の紹介をする文章はこう始まります。
「うどんに生える毛のことである。
言うまでもなく、うどんに毛の生えるのは
極めて稀なことであったから
(一説には三千年に一度と言われている)
これは常に貴重なものとして取り扱われていた。」

よくもまぁこんなに嘘情報の中にほんのり本当の言葉を混ぜて
それらしく作ったものですよね。
全作こんな感じで江戸時代の川柳や
研究科の説(これらも本当なのか何なのか)を引用しながら
話が淡々と続いていきます。
あまりにも淡々と話が続くので「じだんだ」という道具の紹介が
2種類載っていても気がつかないほどです。
それぞれ面白いのですが、
なぜ「じだんだ」だけ二つあるのか気になります。

個人的に好きな道具は「にーちょん」という謎の道具ですね。
「にー」と出して「ちょん」と打つ道具らしいのですが、
何を「にー」と出して「ちょん」と打つのか
謎ながらも説が色々展開されていて笑いました。
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16:38 | 本の感想 | comments(2) | trackbacks(0)
眺めているだけでも楽しい
平翠軒のうまいもの帳―“食のパトロン”が作った素晴らしき“食べもの宝箱”へ
平翠軒のうまいもの帳―“食のパトロン”が作った素晴らしき“食べもの宝箱”へ

倉敷市にあるという全国のうまいものを集めた平翠軒という
店においてある商品を紹介した本です。
造り酒屋の主人(ここの酒もうまいらしい)が自分の舌で選んだ
こだわりの品しか置いていないそうです。
お釣がすべて新札で来るらしいし、
賞味期限が切れたものは自分の家で消費したりする辺り
食を扱うというこだわり以上のものを感じます。
有名デパートのバイヤーがお忍びで訪れることも多いそうです。
本屋で何気なく手にとって買ってしまいましたが、
眺めているだけでも楽しいですね。
地元では売っていないものばかりですから、
どんなものか想像すらできませんが、
いつか行ってみたいです。
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22:49 | 本の感想 | comments(4) | trackbacks(0)
虫づくし
虫づくし
虫づくし
この本には驚かされましたよ。
別役実の本は昔イーハトーボゆき軽便鉄道 を図書館で読んで、
宮沢賢治の世界をこんな解釈にするなんて凄いなと思い、
宮沢章夫の本にも良く出てくるので
劇作家らしいということは知っていました。
しかし、この題名から勝手に草づくしみたいな展開の本かと思い、
うちに帰って「序にかえて」までそう信じて読んでいました。
しかし次の章の題名「水虫についての考察」の題名で面食らいました。
読み進めていくうちに「東北の一寒村S」から先の話が出てきて
自分が考えていた内容と違って数分固まりました。
例えるならもりそばだと思って食べてみたらクリームシチューだった
みたいな感じでしょうか。
これが「東北の一寒村」じゃなくて「九州の一寒村」
(寒村って言葉は北海道・東北地方にしか似合わないな)だったら
まだ騙されていて読んでいたのかもしれません。
普通ならがっかりして先を読まないところですが、
この本の凄いところは
クリームシチューがもりそば以上に美味だったことです。
ほとんどでたらめなことが書いてあるけれど、
それがもっともらしい顔をしているので
読んでいるこっちが「もしかして・・・」と騙されてしまう、そんな本です。
そのテクニックがあまりにも高度で
宮沢章夫で難解だと思っていた自分が恥ずかしくなるほどです。
個人的には、「だにについての考察」と
「きくむしについての考察」が面白かったです。

章ごとに載っている絵も文章にマッチしていますが
「さなだむしについての考察」の絵は何か卑猥だし
(なめくじのほうは逆にあまり気にならなかった)、
「うじむしについての考察」の絵は少し気持ち悪いなぁ。
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22:18 | 本の感想 | comments(2) | trackbacks(0)
これは感想というより紹介?
決定版 世界の民話事典―読んで面白いひいてわかり易い
決定版 世界の民話事典―読んで面白いひいてわかり易い
日本民話の会

この本はいいですよ!
世界の民話が国別にメジャーなものが網羅されているし
「うさぎ」とか「死神」とか「ヤガーばあさん」
(バーバ・ヤガーのことですな)
といった昔話に出てくるキャラの紹介や
同じキャラが出てくる地方の物語の比較とかが詳しく載っております。
民話と昔話、伝説の違いとか(私はこの違い知らなかった)
各国の年中行事まで載っております。
個人的には少しヨーロッパに偏りすぎかなという感じもしますが、
読んでいて飽きない本ですし、
帯の「家庭に学校に常備した一冊」という言葉は本当です。
これから何かあったらすぐ調べられて便利になりそうです。

この本を作った「日本民話の会」というのも初めて聞きました。
調べてみたら日本版もあるみたいです。
もっと面白そうで見つけたら買ってしまいそうです。
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18:00 | 本の感想 | comments(0) | trackbacks(0)
へんないきものに関連して
昨日感想を書いた「またまたへんないきもの」
この本の挿絵を書いている人は寺西晃という人なのですが、
「またまたへんないきもの」の作者紹介のページに気になる一文が
「平成の石原豪人と人は呼ぶ」
えー!確かにリアルな動物の姿や
教科書に出てきそうな子供のイラスト、
恐怖漫画や少女マンガタッチなど色々書いてますね。
石原豪人好きとしては気になるところです。
作者は他にもどんな絵を描いているのか調べてみました。
http://www.akirat.com/
なるほど・・・リアルテイストなイラストが得意な方なのですか。
絵もさることながら日記が面白くてすっかりファンになってしまいました。
22:49 | 雑記 | comments(0) | trackbacks(0)
またまたへんないきもの
またまたへんないきもの
またまたへんないきもの
すっかりこの本を買うのを忘れていましたよ!
これは読んだ「へんないきもの」の続きの本ですね。
前作が出た頃、本屋で強烈に惹かれて初版で買った本。
続編が出たらしい、という話を聞き、テレビCMを見たりして
いつか買わねばと思いつつ
モタモタしていたら第二刷になってしまいました・・・
初版とかにこだわる人ではないのですが、
実に売れているんですね。みんなこういうの好きなんだなぁ。

前作がかなり売れて、似たような本がたくさん出たので
そろそろネタ切れかも・・・と思っていたら
まだまだこんなに沢山の変な生き物たちがいたんですね。
特に今回は付録のへんないきもの原色カラー図がいい!
白黒の画像も衝撃的でしたが、カラーになるとより奇妙な動物たちですね。

サナダムシを研究している博士の話は本当に面白かったです。
私はまだまだ寄生虫に関して無知でした。
他の書物で寄生虫が腸内にいると
花粉症にならないと言うことは知っていましたが、
それだけじゃなかったんですね寄生虫は!
いつか「目黒寄生虫博物館」
行ってみたいと思っている私にとっては非常にためになる話でした。

ところで・・・前作はわけのわからないギャグに驚いたわけですが
今作はそのギャグよりも、文明批判の箇所がやけに多かったですね。
いや確かにこの愛すべきへんないきもの達を絶滅に追いやっているのは
私達人類なわけですが・・・
「疲れたから変な生き物たち読んで頭を休めるか・・・」
という目的で本を読んだ私にはその箇所はちょっとヘビーでした・・・
そして最後のまじめな解説の部分の章ごとに挟まれる
困った鼠のようなイラストは何でしょうか・・・
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00:35 | 本の感想 | comments(0) | trackbacks(4)
最近本を積んでばかりいたら
地震が来たらどうすんの!と怒られ、渋々片付け開始。
例のごとくめちゃめちゃ本の配置だけにこだわりまくる。
そして本だけきっちり片付けると
本棚が狭くなっていることに気付く。
あーそう言えば去年の十一月頃から本棚ほしかったんだけど
これ以上本を増やさないと言う約束もあり
自分の力(自転車&徒歩)のみで極秘に買いに行かないといけないから
面倒臭く、年末のゴタゴタもあって、すっかり忘れていたのだった…
もう二段重ねは当たり前、
並べた本の上に積んだり(結局積んでいる)したのですが
いよいよ本がマックス、売ろうかな…
でも「私は自分の本に関してはおそろしくけちんぼby澁澤龍彦」
なので、文庫とはいえ手元に置きたい本ばかり…
本棚欲しいなぁー勿論本も欲しいけど。
00:28 | 雑記 | comments(0) | trackbacks(0)
沈黙する少数者
サイレント・マイノリティ
サイレント・マイノリティ
・・・失敗した・・・
どうも私はエッセーが好きなので、
小説とエッセー両方を出している作家だと
先にエッセーを読んでしまう傾向にある。
そしてそのエッセーは大抵小説の楽屋話的内容なものが多く、
何のことを書いてあるかわからないところが出てくる。
この本もそういう箇所が出てきて、その部分は楽しめない・・・
この本を書いている頃作者は
「海の都の物語」を書いている頃だったらしい。
海の都の物語を探してみたがもしかして絶版か!
ヴェネツィア共和国のことはよく知らないのでとても消化不良・・・

まぁ読んでいない自分が悪いのですが、
そのほかの部分はとても面白かったですよ。
魔女狩りで捉えられた人の話は
読んでいる方がドキドキするような臨場感だったし、
キプロスやギリシアの古代都市の辺りは
行ったことのない人間でも楽しめるような素敵な話だったし。
この本はサイレントマイノリティという題名どおり
声が大きい多数派の影に隠れている少数派の意見に光を当てた本です。
最初の章の題名が「マイノリティ宣言」ですからね。
力も入るというものです。

同じエッセーで、前に出ていたイタリアからの手紙と読み比べると
より作者の文章がうまくなっていて、作者の成長が伺えます。
最後の章の全体主義に関するところは、
この間読んだ山本夏彦を思い出しました。
23:51 | 本の感想 | comments(2) | trackbacks(0)

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